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第百二十九回 後悔があるから努力する

 誰しも失敗したくない。我が子や愛しい人には一つでも辛い思いを取り除いてやりたい。しかし何も失敗も後悔もない人生とは随分味気ないものだろうなと思う。
 私達は変化するときは、今までの方法が続かなくなったからと言っていい。そして何が間違っていたのかどの方向に努力すれば良かったのかを後悔し新たな努力を始める。

  幕末に薩摩藩とイギリスの間で戦いが勃発する。「薩英戦争」である。この戦争が特異なのは双方が後悔した点にある。後悔は予想に反した結果が出た時に生じる。「あの時こうすれば良かった」という後悔を薩摩・イギリスの両方が持った。具体的にはイギリスは薩摩の誇り高き武士道に、薩摩は近代工業化と組織化された部隊に想定外の結果を受けた。熟慮の上で協力体制が生まれた。

  後悔とは分岐点だと思う。思わしくない結果に対し、どうすれば良かったのか思慮し修正する機会でもある。一方そのまま諦めてしまう落とし穴でもある。
 この後悔から次の結果を生み出すまでには努力がある。努力は自信、自己肯定力が芽生えさせる。けれど「さあやるか」という努力の一歩を踏み出すのは自分で自分の背中を押すしかない。大丈夫、やれるという気持ちがあれば次の一歩を踏み出せる。逆に自己肯定力がなければ能力があったとしても先には進めない。常にポジティブな気持ちを持つこと。足りないところを補えば未来があると思う心はとても大事だ。

  私は作品などで失敗した時は「膝を叩いてもう一度立ち上がろう」と思うことにしている。失敗した作品は自分のなかで失敗だったと認める。失敗した作品も愛してあげる。自分が不甲斐ないばかりに巻き添えにした花材に謝罪する。そして忘れる。きれいさっぱり忘れる。
 あとは捲土重来ほど大袈裟でなくてもいい。柔道の乱取り練習で投げられた時のように畳を叩いて「なにくそ!もう一本」と立ち上がればいい。
 具体的に再挑戦するときは、まず失敗した所を重点的に練習する。次こそ成功させると胸に秘め前回より厳しい状況に早目に自らを置く。状況は厳しくても心は奪われない事だ。苦手なことが得意になったら嬉しいだろうなとウキウキすることだ。単純練習を苦に感じないコツは、出来るようになったら次のステップにすすめるのだと思うといい。切手コレクターが珍しい切手を集めるように、新しい技術が身に付くのが楽しくなる。こういう時私は「まだ気付いていないだろうが私はバージョンアップしているのだよフッフッフ」と一人ニヤついていることが多い。周りが知らないうちに新しい企画を立てるのが好きだ。会社員だったイベント担当のクセが抜けていない。
 私はせっかちなので、スケジュールの1割くらい早めに新しい技術を習得できるように進めていく。早目に終わらせていけば他の用事が入っても予定が遅れることはない。これも予定が遅れて後悔した結果身に付けたテクニックだ。

 後悔は人を立ちどまらせる。 しかし同じ失敗を繰り返さないために大事なプロセスだと思う。

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