第63回いけばな協会展 二次展 桂古流から13人出品しました。 いけばな協会は設立より六世家元初代華盛が理事を勤めました。その後、先代華慶も理事に就任しました。昭和の頃は桂古流の出品枠も限られ、初代華盛と華慶、東京支部の幹部しか出品が叶いませんでした。 会場は当初、日本橋東急百貨店(現コレド日本橋)で開催され、その後渋谷東急、銀座松坂屋(現ギンザシックス)、上野松坂屋を経て、現在は新宿髙島屋を会場にする事となりました。
常任参与 新藤三枝 竹、万年青 砂鉢に竹と万年青を活けました。竹は縦鱗、万年青は横鱗です。株分なので分量や大きさにメリハリをつけます。
新藤京華 竹、小手毬、ストケシア、ストロベリーキャンドル、スノーフレーク他 竹の筒と縦割りを使い、違った表情を見事に表現しました。保たない可憐な花材を、低く活けて少しでも水が揚がるよう工夫しています。多くの方が写真を撮っていました。
柄澤華陽 金伊吹 桂古流の五行いけです。土(留)の枝の下から金(下用)が出ていて五行成立の約束を守っています。展覧会でも基本を忘れずに仕上げるのは、普段からお稽古している証拠です。
岡雪華 チャボヒバ 良いチャボヒバが手に入り、綺麗に活けました。普通のヒバと違い、撓める時は楔を挿します。枝のバランスを取りながらまとめます。後ろにプロティアも入れ二重併せ活けとしました。
福島康華 白木蓮、山茶花、ガーベラ 3種併せ活けです。山茶花も花期を過ぎれば緑の枝として花木と組めます。白木蓮は全く撓められません。 枝選びから苦労されたと思います。よくここまで綺麗に仕上げました。
飯塚美楓 山茱萸 初代華盛が意匠した唐金薄端です。すっきりした姿でどのような花材も引き立ててくれます。脚長の特別規格に山茱萸を高く活けました。1種ですが華やいだ表情になりました。
石井小夜 啓翁桜 舟板水盤を用いました。啓翁桜の三株分です。それぞれの立活けが、お互いの枝を横切らないよう注意します。
熊谷華樹 土佐水木、雪柳、バラ他 優しい表情の花材を、印象派の絵画のように輪郭をぼかしながら活けました。フェミニンな作品になりました。春の花材に相応しい盛花です。
奥村陽春 日向水木、アネモネ、オンシジウム、桔梗ラン、フィロデンドン 前澤氏より購入した作家ガラスを用いました。日向水木の伸びやかな枝のアネモネよ塊をオンシジウムが絶妙なバランスで繋いでくれました。シックな作風です。
㕝子 佳華 ゴーストウッド、グロリオサ ミニマムアートを彷彿させる、無駄を一切省いた作品です。歌舞伎の素踊りやミュージシャンの弾き語りのように、誤魔化しの効かない最少資材で構築されています。
下田華美 ご自身で作られたリースにベールを纏わせました。柔らかい印象になりました。つよい色調のショッピングバッグも人目を惹きます。
會田春華 小手毬、ラナンキュラス 温かい表情の花瓶に、小手毬が絶妙な放物線を描きながら挿しました。分量や角度など毎回のお稽古で変化させ、試作を繰り返した努力が実りました。
中井桂渚 黄葉小手毬、ラナンキュラス、雁足、ドライ資材 大学生らしい若い感覚を作品に投影しました。瑞々しさと枯れ物との対比をストレートに表現しています。雁足も生まれ変わったようです。
恭慶館いけばなインターナショナル展覧会 いけばなインターナショナルが北浦和の恭慶館で開催した展覧会です。桂古流からは5人参加しました。
柄澤華陽 チューリップ 黄色いチューリップを9本活けとしました。チューリップは一本のボリュームが大きいので9本活けは珍しいと思います。
染谷桂昌 梅花空木、カラー 円形に近い投入れに梅花空木をゆったり挿しました。落ち着いた床の間にとても似合っていたと思います。
斉藤美智華 連翹 三日月型花器に活けました。月の縁に掛からない様に挿します。技術の要る活け方となります。上手に入りました。
古屋美窓 椿、クリスマスローズ 椿とクリスマスローズを鶴首の花器に活けました。蕾から咲いている姿まで上手に表現できています。
新藤白龍 苔巻き 恭慶館の琵琶床を使わせていただきました。一段上がっているのは、昔は琵琶が置かれたからだそうです。鼎花器に苔槇を用流しとしました。
叡明高校、浦和麗明高校華道部
年に一度行われる、叡明高校と浦和麗明高校の交流です。系列校同士の作品展示はとても見応えがあります。
叡明高校 文化発表会
春日部市民文化センターにて開催されました。 今回は初めての会場でしたが、皆様とても美しく活けられました。
学年ごとに分かれて飾ります。それぞれが精一杯の作品に仕上げました。
淑徳与野中学高等学校文化祭「淑煌祭」
淑徳与野中学高校は数十年前から桂古流が教えています。今回は白龍と岸さんが指導しました。 いけばなとアレンジの魅力が出ています。
神奈川大学 特別講習授業
白龍が特別講師になっている神奈川大学で年に数回、日本文化についての講座があります。皆様熱心に受講し、質問も沢山されるようです。
日々のお稽古
満井康華 太藺、ラクスパー 第15回こうのす花祭りに出品しました。初夏らしく沢山の花が活けられた中で、すっきりまとまった姿は多くの観客から好評を得ました。
桂午会研究会 花菖蒲の2花7葉いけ
花菖蒲はアヤメ科の植物です。菖蒲湯に入れるのはサトイモ科(最近はショウブ科)の別種になります。桂古流では葉組の立活として、草花とは違う扱いをします。
桂午会は土曜日に開催される研究会です。皆様楽しみながら和気藹々とお稽古をしています。
桂秀会、桂正会研究会 朝鮮槇の二重切
二重切は竹筒の活け口を上下2つにし、活け方の型を変化させます。陰陽を和合させながら工夫します。今回は上口を留流し活け、下口を用流し活けにしました。
桂秀会、桂正会研究会は祖父六世華盛の時に設立した研究会です。先輩達から代を受け継ぎ、若いメンバーも頑張ってお稽古しています。
桂会研究会 果物、野菜を活ける
今回の研究会テーマは果物、野菜を活けるです。白龍の講義は果物と信仰についてです。様々な果物が人間とどの様に関わっていたか、楽しく説明しました。
果物を活けるというのは皆様の考え方で変わります。ブルーベリーが枝付きのまま活けると普通の投入になります。
盛り物のような活け方で野菜を構成しました。
花器に根菜を活ける意欲作もあります。