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第百四十回  埼玉会館

 2019年、翔んで埼玉が空前の大ヒット映画となった。桂古流はかなりの人が見ているのではないだろうか。少なくとも家元一家は全員観た。家内は2回観た。4月12日現在興行収入は31億円。堂々の第6位である。上位にはファンタスティックビースト、マスカレードホテル…と名だたる映画が名を連ねる。その中で翔んで埼玉は明らかに異質である。この映画のどこが面白いかと言われても難しい。埼玉県民、映画の中では埼玉県人のコンプレックスとプライドを丁寧に描き切った点か。

 埼玉県は実力のある県だ…と私は思う。人口は全国5位の727万人である。住みやすい県では第2位。教育環境も整っている。大宮駅、熊谷駅には新幹線も停車する。小江戸川越も秩父も観光として人気がある。治安もいいほうだと思う。
 私にとって一番の魅力は文化に手厚い都市ということだと思う。浦和駅を降りて中山道にむかうと県庁より先に埼玉会館がある。埼玉会館は大小2つのコンサートホールと地下展示室を併せ持つ文化施設だ。会議室はたくさんある。レストランも美味しい。地下展示室は全室合わせると産業貿易センター台東館より広いかもしれない。
 埼玉会館では一年間に様々な文化発表会が開催される。コンサートも講演会もホールで行われる。私の幼稚園は発表会の会場が埼玉会館だった。私も二人の息子もここで劇や合奏をした。

 埼玉会館ではいけばな展も開催される。桂古流が事務局をしている埼玉県いけばな連合会、さいたま市いけばな芸術協会もここで展覧会を開く。埼玉県いけばな連合会が昭和41年に設立した時、祖父を真ん中にした記念写真がある。埼玉会館で撮影されていた。
 埼玉会館の素晴らしさは抜群の良立地にある。これほど広い展覧会場が駅から徒歩7分以内で行けるのだ。関東の政令都市は他にちょっとないと思う。215人の作品が一度に出品できる。前期後期の入れ替えがないので会期が短くて済む。コストもありがたい。埼玉県芸術文化振興財団が運営しているので木曜を準備日とし金曜から日曜までの会期で料金は18万円でお釣りがくる。

 一昨年、大規模修繕が行われた。外壁塗装・耐震工事をした。本当は地下に行くエスカレーターが欲しかったが建物がエスカレーターの動力部分を収納できるスペースが取れなかったらしい。お年を召したお客様を慮ると残念である。
 綺麗になった埼玉会館で2018年に日本いけばな芸術特別企画in彩の国が開催できた。埼玉県に初めて来た方々からは「新しくて立派な会館ですね」と褒めてもらえた。全国のお客様をお迎えするのに、ベストタイミングだった。

 埼玉会館でのいけこみが終わり、シーンとした空間にいるのが私は大好きだ。次の日から賑わう会場、その前の静かな緊張感にひたれる幸せは事務局冥利に尽きる。警備員さんがくるまでの数分間、すべての作品に「明日から頑張ろうね」と心の中で声をかける。

 

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