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第十五回:甘味の思い出


浦和は華道とともに茶道も盛んです。

だから菓子舗も多いと思います。高級なお菓子は、お客様に出した残りものを台所でこっそり食べたり、手軽な菓子は遊びがえりに駄菓子屋で買ったり、とそれぞれ忘れられない思い出と味があります。浦和にいて早40年。思い出すままに、甘味について触れてみます。

たい焼き。
昭和40年代に浦和駅前で育った子供なら、たい焼きといえば青いリヤカーを思い出す人も多いでしょう。薄皮でパリッとしていて白っぽいのです。たいのウロコもようが、一枚一枚くっきりうかび上がっているのが特徴です。

小学校の前にあったお店のパンダ焼き。
たい焼きと同じような菓子でしたが生地にバターが溶かしてあってホットケーキみたいな皮でした。私はたい焼き派でしたが、弟はパンダ焼きのほうが好きでした。

東口の和菓子屋にあったカップのアイス。
透明なカップに入っていてバニラと小豆の2種類でした。小さいわりに値が張った覚えがあります。でもそれだけの価値は十分ありました。今で言うジェラードのような柔らかさで、上品なコクのあるアイスでした。

プティフール。
初めて食べたとき「何、このおいしさは!」とショックを覚えました。東京の洗練された洋菓子をはじめて食べた気がしました。

ミルクセーキ。
喫茶店からミルクセーキがなくなったのはいつからでしょう。ファストフードでシェイクをうりだした頃とかさなるかもしれません。夜、大人につれて行ってもらい喫茶店で飲むミルクセーキは、背伸びした味でした。

先日子どもの頃につれて行ってもらった喫茶店に行きました。昔をなつかしんでミルクセーキを飲みたくなったのです。店に入るとマスターは代替わりして息子に代わっていました。

私が「ミルクセーキを」と頼むと「うちは喫茶店ですからおいてありません」とにべもなく言われました。ヒゲ面のしたから「そんなもの作るか、うちは純喫茶だぞ。何も知らないで・・・」という顔がありました。私もカチンときて「そう、私が子どもの頃、先代によく作ってもらったんだけどね。君にはできないか」といってかえってきました。

甘味の思い出のはずだったのに、苦いことを書いてしまいました。

 

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