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第百六十八回: 猫、という…

 世の中、ネコだけは絶好調である。前後左右ネコだらけと言っても良い。テレビも困った時はネコ、本もネコ、ぬいぐるみも、衣類もネコであふれている。ネコの経済効果は近年2兆円を超える。厳密に比較すると埼玉県の年間予算より多い。まさに恐るべしネコ人気。

  私は実はあまりペットは得意ではない。子供の頃、犬に?まれ、ネコに引っかかれたからだ。しかし小学生の頃に捨て犬を家族が拾ってきて、散歩するうちに積極的でないにしろ怖くなくなった。
 現在2匹のネコがいる。1匹は知人から譲り受けたアンズ(メス3kg)と白龍が拾ってきたチマ(オス6kg)だ。アンズは私が50歳の誕生日に生まれた。親猫を飼っていた人が「運命感じますね」と家内の誕生日に連れてきた。私はあまりそういう運命などに流されない。初めは「ああ居るなあ」程度の消極的な関心しかなかったが実物を見れば情が湧く。なんとなく飼うことになった。チマはその1年後に自宅の近所でカラスに狙われている所を白龍が見つけた。1週間前からカラスがギャーギャー鳴いていて注意して探したら枯れ葉がいっぱい付いた子ネコを拾い上げたとのことだった。その時は500gで手の平に載ったので命名した。現在10倍以上の重さになったから名前とギャップがある。この前、関西の家元とリモート飲み会が開かれた。チマが傍に来たので画面に映るよう抱き上げた。悪友のS先生から「デカッ」と言われると面白くない。
 今でもアンズは倍くらい大きなチマの世話をしている。体を舐め、チマが危ない所にいると「ねえ注意してよ」と言うように私を呼びに来る。普段の追いかけっこはチマから逃げているが取っ組み合いを始めるとアンズの方が強い。大きくてもチマは下になってお腹を見せて降参している。だったらチョッカイ出さなければ良いのにと2匹のやりとりを眺めている。前にいた三毛子もそうだったがネコは私を好む。適当に放ったらかしているからか、家主だと思っているのか。ネコなりのサービスをしてくれる。一緒に寝るのもネコ好きには堪えられないだろうが、胸の上に寝られて夜中にうなされて起きることがしばしばあった。

 歴代家元もネコが好きだった。祖父先代華盛と祖母が飼っていたネコはお産の時に祖父が手を(前足を)握ってあげないと子ネコが出なかったらしい。いよいよと言う時、祖母が呼ぶと祖父はお稽古を中断してネコの元に行った。桂古流のレジェンドがなんとも微笑ましい。父華慶も負けずネコ好きだった。伯父から父が呼ばれもらって来たのが真っ白な「チャコ」だった。父には本当に懐いていた。私には間違っても甘えなかったが父が抱くとビヨーンと長く伸びていた。私や弟には怒鳴り声しか出さなかったのに「チャーちゃんご飯あげましょうねー」と言う時は正しく猫なで声だった。あまりに真っ白な顔だったので酒の勢いでメイクアップしてみようと思った。アイラインやチークを使って塗っていたらデーモン小暮か鉄拳かという顔になった。一緒に酔っていた弟が「兄貴、コスチュームが必要だろう」と親のベルサーチかエルメスのスカーフを首に巻いた。大笑いしている所に父が来て「バカヤロー!何てことしやがる!いやだったねえチャーちゃん。可哀そうにねえ」と言っていた。ラジオ局勤めの知人から「大人げないことで叱られました」というテーマで面白いネタはないかと尋ねられたので話すと大喜びし、番組で話した。白龍はネコ大好きで絵でも良く描いている。あまりに撫ぜたり抱っこしたりするせいで、クールなアンズはしつこくされると逃げ出す。玉兎は犬猫あまり得意でなかったが家の猫たちは触れるようになった。チマは玉兎を友達・ライバルと思っているらしく、ひっくり返したり転がされたりすると「ウニャーウニャー」と怒りながら立ち向かっていく。玉兎は「そんなに怒ることないだろ」と後ずさりする。

 

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