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第十七回:拍子抜けする話


私の写真は自他ともに認めるひどいレベルですが、アシスタントとしてはけっこう有能だったと自負しています。カメラマンの口コミで私のうわさは広まり、一時期は3人のカメラマンのアシスタントを掛け持ちしていました。

なぜ私は有能なアシスタントだったのか…それはカメラマンの仕事のリズムを見つけ、そのリズムに自分も合わせ、カメラマンをノリノリにさせてしまうからです。

私は何度も言うようですが写真はへたです。でもアシスタントは問題なくつとまります。大事なのはカメラマンが今は撮りたいのか、じっくり待ちたいのか、手を抜きたいのか、構図を最初から作り直したいのか、それを察して「大丈夫、あなたのしようとしていることは間違っていません」という気持ちをカメラマンに届くよう動いているだけで、仕事ははかどるのです。

あるカメラマンから「君といると仕事が3倍はかどる」といわれました。
しかしある時それは私でなく、誰でもいいんだということに気づきます。私が暗室作業をたのまれてどうしても都合がつかないときアシスタントに友人を紹介したことがあります。

私は初めてアシスタントについた友人が心配でなりませんでした。娘を嫁に出すような…は言い過ぎですが「怒鳴られてしょんぼりしていないか」とか、「何かひっくり返して壊してないか」などとヤキモキしていました。

そうこうするうちに笑顔のカメラマンと友人が帰ってきました。そして「新藤君とても良いアシスタントを紹介してくれてありがとう。新藤君も忙しいからこれから彼に頼むことにするよ」と言われました。わたしはホッとするのと同時になにかさびしいおもいもしました。

人は仕事がかさなってバタバタしている時はつかれて嫌になってしまいますがご苦労さんと肩をたたかれるのもいやなのです。

花をいけているとき途中まで使っていた枝より、別の枝が気に入ってしまうことがあります。もちろん取り替えてしまうのですが、最初の枝がアシスタント時代の自分に見えたりします。そうなると捨てられません。

短い花やかわいい葉は小さいコップで活躍してもらいます。枝やお花に拍子抜けされないように心がけて活けたいものです。

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