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第百九十二回: タイムスケジュール

 日々の生活は数十分単位で生活している。「あと30分でここまで片付けよう」とか「打合せまで40分あるから指導できる範囲の説明はしよう」と考える。忙しい時は数分単位で行動する。移動は分単位で管理している。1時間単位ではアバウトすぎて行動の指標にならない。

  一方で、大きな流れの中では運命に身を委ねて生きている。個人の都合など通らない。国・県の政策、経済動向、社会事件、ITの進歩、医療改革、法改正、物理化学の発明、文化スポーツの記録、新しい産業、国際環境の変化、教育福祉の見直し、宇宙開発、その他様々な巨大組織が叡智を振り絞っている。それぞれのエキスパートが集まって1か月後、半年後、1年後を目指し完遂することを目標に必死で働いている。彼等は大袈裟でなく秒単位で働いている。余裕があって分単位だ。この瞬間も緻密な計画計算のもとに最良の結果を出そうと努力し続けている。その努力が実って公に発表になる時、私はそれを享受する立場にいるのだろうかと考えてしまう。先代華慶が患った癌の特効薬が厚労省より認可されたのは、亡くなった3カ月後だった。

  私のタイムスケジュールの原点は小学校にさかのぼる。教室は正面に黒板があり右側に緑の紙で「みぎ」、左側に赤い紙で「ひだり」と書かれていた。「みぎ」の紙の下に時間割が貼られていた。地図で右側のビルとかカーナビで左折とか言われると未だに教室の緑と赤の紙が浮かぶ。                

  本題の時間割だが見るのも作るのも好きだった。1時間ごとに先生が変わり教科書が変わり自分の得手不得手も変わる。教室が変わることもある。休み時間に慌てて戻ってくるのも面白かった。大学で自由に時間割を作るのもオーダーメイドのようで楽しかった。社会人となり自身を管理するようになると、1時間ごとなんで言っていられなくなった。来る仕事は取り合えず受ける。ダブルブッキングしても受ける。お稽古しながらzoomで会議もこなすしかなくなる。時間割に縛られながらも余裕のあった頃が懐かしくなる。

  時間割は曜日ごとに1時間目から4時間目までが午前で給食と昼休みがあり5時間目6時間目と続いていた。私の人生のプライベート部分を時間割に当てはめるとどうなるだろう。1時間目が小学校、2時間目が中学、3時間目が高校、4時間目が大学、給食と昼休みが結婚と育児、5時間目は子供の独立、6時間目は自身の終活かと思う。私は結婚以降のタイムスケジュールは躓くような気がしていた。自分だけの考えではコントロールの効かない部分が多いので予想が立たなかった。ここまで上手く歩めるとは思いもしなかった。周りの人々の支えがあってここまで進める事ができた。皆さんに感謝しなくてはいけないと常々戒める。

 

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