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第二十七回: 家元の一日

私がはじめて出会った人と自分の職業の話をすると、だいたいの反応は「へえ家元さんですか」とおどろきと興味本位の視線をおくられる。相手が「そーするとやっはり・・・」と相手が切り出すので、先回りし「畳がズバーンと敷いてある100畳の和室があって、綺麗な和服の方が500人くらいいて、しょっちゅう家元の跡目あらそいで殺人事件がおきています」と応えてあげる。まったくサスペンスドラマもいい加減にしてほしい。あんなに殺人事件がおきたら日本の伝統文化はあとつぎが絶える。

一体みなさまは私たちの暮らしをどう思っているのだろう。一日中正座してパチンと枝を切っているように思っているのだろうか。私たちは皆さんが考えるよりはるかに庶民的な暮らしをしている。中性脂肪が高ければ豆乳をのむし、子供の成績があがらないとヤキモキする。 私の教室での教える時間は火・木・土の朝10時から夜9時までと、水・金の夕方5時から夜9時までとなっている。この間は教室に拘束されているので他の仕事はあまりできない。どうしても外出する時は代理の先生にお願いしてでかける。 休みは毎週月曜と月末の29・30・31日だが研究会や会議などがはいっている。丸々一日休めるのは夏休みと冬休みの中の数日だ。

私の一日は以下のようだ。

朝は6時過ぎ 起きる。家内が5時半に起きるので何となく起きてしまう。 6時半前 小学校の校庭で10周次男とジョギングする。5周はふつうに走って5週はいろいろなメニューを取り入れる。夏まではマンションの階段を2階から31階まで走っていたのでそれほどつらくない。

7時   長男を送りだし次男の宿題を見ながら入出金伝票など会計処理をする。

8時   次男を送り出す。

午前中  火木土はすぐお稽古なのであまり時間がない。月水金は仏様・神様のお水とお花をいれかえる。本当は祖父新藤華盛みたいに毎日お参りしたいが、いまの状況では一日おきが精一杯だ。仏様・神様が終われば外にでる。銀行・郵便局で振込みや引落しの確認などもけっこう時間をつかう。

昼間   火木土は立ち活けのお稽古がある。普通の人もいるが、やはり昼間は幹部級の皆さんがむずかしい型をいける。気の抜けない時間帯だ。 月水金はいろいろな仕事がはいる。いけばな関係は会議が多い。だいたいこの曜日にの昼にある。主催の会議だと、その準備や本番や議事録の送付など前後の事務処理がある。県の事務局の長谷川さんとの打ち合わせも昼間おこなう。      また他流の展覧会にいく事も仕事ではないが遊びでもない。「顔を売ることも必要だ」と昔ある人にいわれた。できる範囲で守っている。 内覧会や買い付けも大事な業務だ。時の流行物と自分の接点は現場に行かないとすぐニブる。 県会議事堂や市役所その他にいけるよう頼まれることもある。ショーケースやコルソのキャッシュコーナーにもいける。時間があるときは自分で飾りに行く。

夕方   仕事帰りのOLさんがお稽古にくる。キャッキャとたのしそうに活けている。9時過ぎまでは当日の現金を整理したり、花材のクズをすてたりして教室をしめる。 曜日によって出稽古に出かけることもある。むかしから行っているところはやはり自分で出かける。夜サラリーマンと肩をぶつけながら電車で帰ってくるのもすこし楽しい。

夜    時間があれば子供たちに本を読む。できるだけ読もうと思っても週2,3回くらいだろうか。日々の会計の〆は家内に任せている。

非常におおざっぱだが、だいたいこのようなスケジュールでまわっている。週1回子供と柔道に行ったり、PTAや地元の若手会など不定期な集まりもある。見ての通り朝方なので夜は早く寝てしまう。12時過ぎるとまぶたが閉じてしまう。

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