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第七十二回 生活臭のあるライフスタイル


 女性は清潔な街がすきである。男性は不潔なところを愛する。
男女雇用均等法が制定されて20年、日本の職場は女性のおかげでとても清潔になった。職場での禁煙がこれほど早く実現したのは、女性の社会進出も一因になっているとおもう。

世の中、男性と女性である。
独身男性が女性と出会い、恋におちる。そしていつしか共に暮らし始める。これは結婚式などない大昔から、われわれ人類の営みである。

 そこで初めて女性は男性の不潔さに出会うのである。
男どものなんたる汚れっぷり。女性は驚愕し、おののき、憤怒する。女性が今まで当たり前と思ってきた清潔な空間を、汗だくの衣類や土のついた靴下、干さない布団などでメチャクチャにする。
 我慢の限界を超えた時、女性は決心する。男性を清潔にしようと。
女性が生涯をかけて挑む巨大事業である。最初は言うことを聞かずしぶっていた男性も、女性の熱意に負け徐々に小綺麗になり始める。
このまま順調にいくかと思いきや、男性の不潔に対する郷愁は去りがたい。女性の目の届かない机の下、下駄箱の奥、クローゼットの下を気付かれないように、確実に汚していく。
 女性も負けてはいない。ある時ふと細かい変化に気付く。机の下のコピー用紙や、げた箱から落ちた片方の靴下、タバコとニンニクのにおいの染みついたスーツなど、探偵のような注意深さで発見する。そしてすぐにどかしていく。
掃除し、片付け、ゴミを出す。
男性も今度ばかりは女性の指示に従うしかない。

 女性のプロジェクトXは完成間近かという時、思わぬ事態になる。
そう、出産である。
男児など生まれようものなら大変である。
 息も絶え絶えだった男性は援軍を得る形になる。不潔崇拝は奇跡の復活を遂げるのである。女性も我が子のやんちゃぶりには目を細めてしまう。ついに妥協点をさぐるようになる。

 生活臭、よくいえばぬくもりと呼ばれる空間はこのようにして発生する。もちろん来客時には生活臭は消えてしまう。しかし女性は決して不潔を全滅することはない。
女性は守ることの大切さを知っている。女性が守ることで男性はなんとか生きている。女性はそのような関係を「仕方ないか…」ととらえている。女性は決して積極的に賛成はしないが男性にとって不潔は欠くべからざる存在としぶしぶ認める。

 個人空間だけでなく都市空間にも男性的な街、女性的な街は存在する。
女性的な街は整然としていて清潔だ。明るく安全で香りもいい。
銀座や丸の内のブランド街、海外ではワイキキなどに代表される。
一方で男性的な街の代表は、オフィス街のうらの繁華街だ。猥雑とした中で活況を呈している。

 こんなに感覚の違う男性と女性。なんとか生活臭で食い止めようと女性は今日もまた努力を続ける。

 これはあくまで一般論であり、まちがっても私のことではない。

 


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